フロン類算定漏えい量の報告【フロン排出抑制法】

フロン排出抑制法

この報告は何のためにあるのか

業務用エアコンや冷凍冷蔵機器から、実際にどれくらいのフロン類が漏れているかを計算し、一定量以上漏らしている事業者に国への報告を求める制度です。報告された内容は国が集計して公表します。漏えいの多い事業者を見える化し、機器の管理の改善を促すことが目的です。

対象になる事業者(特定漏えい者)

その事業者が管理するすべての業務用冷凍空調機器(第一種特定製品)からの1年間の算定漏えい量が、CO2換算で1,000トン以上になる事業者が対象です。これを「特定漏えい者」といいます。フランチャイズチェーンの場合は、加盟店の機器もまとめて本部の分として計算します。

特定漏えい者は、報告の中で、1か所で1,000トン以上漏えいしている事業所(特定事業所)があれば、その事業所ごとの内訳も報告します。

多くの中小規模の建物では該当しませんが、多数の店舗や大規模な冷凍冷蔵設備を持つ事業者では対象になることがあります。

報告の期限と報告先

  • 期間:毎年4月1日から7月31日までの間に、前年度(4月〜翌3月)の算定漏えい量を報告します。
  • 報告先:その事業者の事業を所管する大臣(事業所管大臣)です。電子での報告もできます。

算定方法

算定漏えい量は、機器の整備のときにフロン類を補充(充塡)した量から、整備のときに回収した量を差し引いて、実際に漏れた量を推計するという考え方です。

算定漏えい量(トン-CO2)=(充塡量 − 整備時の回収量)× 地球温暖化係数(GWP)÷ 1,000
(量はキログラム。フロン類の種類ごとに計算して合計します)

地球温暖化係数は、フロン類の種類によって大きく違います。たとえば、ビル用マルチエアコンなどで広く使われてきたR410Aは約2,090です。つまり、R410Aの場合、1年間に約480キログラムを補充(漏えい)すると、1,000トン-CO2に達する計算になります。

計算のもとになる「充塡証明書」「回収証明書」

空調業者などのフロン類充塡回収業者は、フロン類を補充したときや回収したときに、その量を記載した「充塡証明書」「回収証明書」を、機器の管理者(整備を発注した人)に交付しなければなりません。算定漏えい量は、この証明書の数字をもとに計算します。報告の対象にならない場合でも、機器の管理者は証明書を保管し、点検整備記録簿にも充塡・回収の履歴を記録しておく必要があります。

現場から:オーナーからの問い合わせ

ビルメンテナンスの現場責任者としての経験から、実際の関わり方をまとめます。

私の現場では、毎年、オーナーから「この1年間にフロンの補充や回収はあったか」という問い合わせが来ます。オーナーの会社全体で漏えい量を集計するためです。ただ、実際には補充や回収をするような漏えいはほとんどなく、「特になし」と回答することが基本です。

ビルメンとしては、空調業者から受け取った充塡・回収の証明書や修理の記録を、機器ごとに整理しておくと、こうした問い合わせにすぐ答えられます。関連する点検については「簡易点検」「定期点検」の記事をご覧ください。

根拠となる法令

フロン排出抑制法第19条(算定漏えい量の報告)、第20条(集計・公表)、第37条(充塡証明書)、第39条(回収証明書)などに定められています。

違反した場合

報告をしなかった場合や、虚偽の報告をした場合は、10万円以下の過料の対象となります(フロン排出抑制法第109条第1号)。

コメント

タイトルとURLをコピーしました