第一種圧力容器の性能検査【労働安全衛生法】

労働安全衛生法

この検査は何のためにあるのか

内部に圧力がかかる「圧力容器」のうち、蒸気などで中身を加熱する容器は、破裂すると高温の蒸気や液体が噴き出す重大な事故につながります。こうした容器は、労働安全衛生法で「第一種圧力容器」として、ボイラーと同じく「特定機械等」に指定されています。国の検査に合格して「第一種圧力容器検査証」を受けたものでなければ使ってはいけません。性能検査は、この検査証の有効期間を更新するための検査です。

対象になる設備(第一種圧力容器とは)

第一種圧力容器は、法律(労働安全衛生法施行令)で、大きく次の4種類に分けられています。

  • 加熱器:蒸気などの熱媒を受け入れて、中の固体や液体を加熱する容器で、容器内の圧力が大気圧を超えるもの(例:蒸気で水を温める貯湯槽(ストレージタンク)、熱交換器など)
  • 反応器:化学反応などで蒸気が発生する容器
  • 蒸発器:液体の成分を分離するために加熱して蒸気を発生させる容器
  • アキュムレーター:大気圧での沸点を超える温度の液体を、内部に保有する容器

ただし、ごく小さな容器は第一種圧力容器から除かれます。また、一定規模以下のものは「小型圧力容器」として、性能検査の対象外です(1年以内ごとに1回の定期自主検査は必要)。ビルでは、蒸気ボイラーの蒸気で給湯用の水を温める貯湯槽などが第一種圧力容器に当たることがあります。

なお、空気などの気体をためる容器(空気だめなど)は「第二種圧力容器」という別の区分で、性能検査はありませんが、1年以内ごとに1回の定期自主検査が必要です。

検査の頻度

検査の種類 頻度 誰が行うか
性能検査 1年ごと(検査証の有効期間が1年のため) 登録性能検査機関
定期自主検査 1か月以内ごとに1回 事業者(設備を使う会社)

性能検査の結果によっては、有効期間が1年未満になったり、1年を超え2年以内に延びたりすることもあります。

定期自主検査で確認すること

  • 本体の損傷の有無
  • ふたの締付けボルトの摩耗の有無
  • 管と弁の損傷の有無

検査の結果は記録し、3年間保存します。異常を見つけたら、補修などの必要な措置をとります。

取り扱う人の資格

第一種圧力容器の取扱いの作業では、「第一種圧力容器取扱作業主任者」を選任する必要があります。化学設備以外の一般的な第一種圧力容器であれば、ボイラー技士(特級・一級・二級)や、普通第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習の修了者などから選任します。

内部に入るときの注意

掃除や修理のために容器の内部に入るときは、容器を冷却する、内部を換気する、使用する電線や照明を安全なものにする、などの措置が義務づけられています。

根拠となる法令

労働安全衛生法第40条・第41条・第45条と、労働安全衛生法施行令第1条第5号(第一種圧力容器の定義)、ボイラー及び圧力容器安全規則第62条(作業主任者)、第67条(定期自主検査)、第69条(内部に入るときの措置)、第72条・第73条(検査証の有効期間・性能検査)に定められています。

違反した場合

  • 検査証を受けていない(期限切れを含む)第一種圧力容器を使用した場合:6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(労働安全衛生法第119条第1号)
  • 定期自主検査を行わなかった、または記録しなかった場合:50万円以下の罰金(同法第120条第1号)

ボイラーについては「ボイラーの性能検査」の記事をご覧ください。

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