クレーンの性能検査【労働安全衛生法】

労働安全衛生法

この検査は何のためにあるのか

天井クレーンなどのクレーンは、重い荷物をつり上げて運ぶ設備です。ブレーキやワイヤロープに不具合があると、荷物の落下など重大な事故につながります。そのため、つり上げ荷重が一定以上のクレーンは、労働安全衛生法で「特定機械等」に指定されており、国の検査に合格して「クレーン検査証」を受けたものでなければ使ってはいけません。性能検査は、この検査証の有効期間を更新するための検査です。

対象になる設備

つり上げ荷重が3トン以上のクレーン(天井クレーン、ジブクレーンなど。スタッカー式クレーンは1トン以上)が、検査証と性能検査の対象です。工場や倉庫、発電所の機械室などに設置されていることが多く、ビルの屋上や機械室に機器搬出用のクレーンが設置されている場合もあります。

3トン未満のクレーンは性能検査(と検査証)の対象外ですが、つり上げ荷重0.5トン以上であれば、下記の定期自主検査(年次・月次)と作業開始前の点検は必要です。

検査の頻度

下の表のうち、性能検査は3トン以上のクレーンだけが対象です。それ以外の検査・点検は、0.5トン以上のクレーンすべてが対象です。

検査の種類 頻度 誰が行うか
性能検査(3トン以上のみ) 2年ごと(検査証の有効期間が2年のため) 登録性能検査機関
定期自主検査(年次) 1年以内ごとに1回(荷重試験を含む) 事業者
定期自主検査(月次) 1か月以内ごとに1回 事業者
作業開始前の点検 その日の作業を始める前 事業者(運転する人など)

性能検査の結果によっては、有効期間が2年未満になったり、2年を超え3年以内に延びたりすることもあります。

それぞれの検査・点検の内容

  • 性能検査:クレーンの各部分の構造と機能の点検に加え、定格荷重に相当する荷をつって、つり上げ・走行・横行などの動作を確認する荷重試験を行います。
  • 年次の自主検査:クレーン全体を検査し、原則として荷重試験も行います(直前・直後に性能検査がある場合などは省略可)。
  • 月次の自主検査:巻過防止装置などの安全装置、警報装置、ブレーキ、クラッチ、ワイヤロープ、つりチェーン、フック、配線、配電盤、コントローラーなどの異常の有無
  • 作業開始前の点検:巻過防止装置、ブレーキ、クラッチ、コントローラーの機能、走行レールの状態、ワイヤロープが通っている箇所の状態

屋外のクレーンで瞬間風速30メートル毎秒を超える風が吹いた後や、中震以上の地震の後に作業するときも、事前に点検が必要です。自主検査と点検(作業開始前の点検を除く)の結果は、3年間保存します。

運転する人の資格

クレーンの運転には、つり上げ荷重に応じて、クレーン・デリック運転士免許や技能講習、特別教育などが必要です。また、荷をかける玉掛けの作業にも、玉掛け技能講習などの資格が必要です。

根拠となる法令

労働安全衛生法第40条・第41条・第45条と、労働安全衛生法施行令第12条第1項第3号(対象のクレーン)、クレーン等安全規則第10条(検査証の有効期間)、第34条〜第38条(自主検査・点検・記録)、第40条(性能検査)に定められています。

違反した場合

  • 検査証を受けていない(期限切れを含む)クレーンを使用した場合:6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(労働安全衛生法第119条第1号)
  • 定期自主検査を行わなかった、または記録しなかった場合:50万円以下の罰金(同法第120条第1号)

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