ボイラー技士とは?特級・一級・二級の違い・合格率・免許をもらうための条件

労働安全衛生法

この資格は何のためにあるのか

ボイラー技士は、一定規模以上のボイラーを取り扱ったり、ボイラーの「取扱作業主任者」に選任されたりするために必要な国家資格です。ボイラーは高温・高圧の蒸気やお湯をつくる設備で、扱いを誤ると破裂などの重大な事故につながるため、労働安全衛生法で資格が定められています。

二級ボイラー技士は、第二種電気工事士・危険物取扱者乙種第4類・第三種冷凍機械責任者とあわせて、ビルメンテナンスの「4点セット」と呼ばれる入門資格の一つです。

特級・一級・二級の違い(作業主任者になれる範囲)

取り扱うボイラーの伝熱面積の合計 ボイラー取扱作業主任者になれる資格
500平方メートル以上 特級(貫流ボイラーのみを取り扱う場合は一級も可)
25平方メートル以上500平方メートル未満 特級・一級
25平方メートル未満 特級・一級・二級
小規模なボイラーのみ 上記のほか、ボイラー取扱技能講習の修了者

なお、伝熱面積の合計を計算するとき、貫流ボイラーは実際の伝熱面積の10分の1として数えるなどの特例があります。また、「小型ボイラー」などのごく小さなボイラーは、ボイラー技士の資格がなくても、特別教育を受ければ取り扱えます。

受験資格と免許の条件

ボイラー技士は、試験に合格しただけでは免許がもらえない点に注意が必要です。

級 受験資格 免許をもらうための主な条件
二級 なし(誰でも受験可能) ボイラー実技講習(20時間)の修了、または一定の実地修習・実務経験など
一級 二級免許を持っている人など 二級免許を受けた後、2年以上ボイラー(小規模ボイラー・小型ボイラーを除く)を取り扱った経験、または1年以上の作業主任者の経験
特級 一級免許を持っている人など 一級免許を受けた後、5年以上ボイラーを取り扱った経験、または3年以上の作業主任者の経験

試験の内容

試験は筆記のみで、「ボイラーの構造」「ボイラーの取扱い」「燃料及び燃焼」「関係法令」の4科目です。二級・一級は、科目ごとに40%以上、全体で60%以上の正解で合格です。試験は公益財団法人 安全衛生技術試験協会が、全国の試験センターなどで行っています。

合格率の目安は、二級・一級とも5割前後です(令和7年度は、二級が52.9%、一級が50.5%。安全衛生技術試験協会の統計)。

現場から:二級を取り、一級は試験合格どまりの体験

ビルメンテナンスの現場責任者として、私は二級ボイラー技士の免許を持っています。一級は試験に合格しましたが、まだ免許は受けていません。その経験をまとめます。

二級は試験に合格してから実技講習

二級は、先に試験に合格し、その後に実技講習を受講して免許を申請しました。実務経験がなくても、この流れで免許を取ることができます。

勉強は過去問の繰り返しと、YouTubeの構造解説

勉強期間は、二級が2週間程度、一級が1か月弱でした。どちらも、過去問をひたすら繰り返し解くのが中心です。ボイラーを実際に見る機会が少ないと構造がイメージしにくいので、YouTubeのボイラーの構造の解説動画を見て補いました。

一級の免許を受けていないのは、実務経験が積めないため

一級の免許をもらうには、二級の免許を受けた後に、一定規模以上のボイラーを2年以上取り扱った経験などが必要です。私の管理物件には、その条件に当たるボイラーがないため、試験には合格したものの、免許の申請ができていません。

正直、今の現場ではあまり役に立たない

今、ボイラーがある施設は、主に大型の病院や商業施設などです。私が管理している物件にも貫流ボイラーがありますが、小さいため、ボイラー技士が必要なボイラーの扱いにはなりません。正直なところ、今の現場ではあまり役に立っていないのが実感です。資格手当は月500円つきます。

強いて言えば、電気主任技術者(電験)の試験に挑戦して勉強したとき(合格には至りませんでしたが)、火力発電所のボイラーの構造がだいたい分かったのは、ボイラー技士の知識があったおかげでした。ボイラー技士の知識は、ほかの設備系の資格の勉強の土台にもなります。

ボイラーの検査については「ボイラーの性能検査」の記事をご覧ください。

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2級ボイラー技士の試験対策には、過去問を繰り返し解く問題集が役立ちます。ユーキャンから、過去8回分の問題を解説した2026年版の問題集が出ています。

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ほかの資格との比較や、資格を取る順番の考え方は、「ビルメンの資格は何から取る?現場で使える資格と、取る順番の考え方」をご覧ください。

根拠となる法令

労働安全衛生法と、ボイラー及び圧力容器安全規則第24条(ボイラー取扱作業主任者)、第97条(免許を受けることができる者)、第101条(受験資格)などに定められています。

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