この検査は何のためにあるのか
ボイラーは、水を高温・高圧の蒸気やお湯にする設備で、不具合があると破裂などの重大な事故につながります。そのため、労働安全衛生法ではボイラーを「特定機械等」として扱い、国の検査に合格して「ボイラー検査証」を受けたものでなければ使ってはいけないと定めています。性能検査は、この検査証の有効期間を更新するための検査です。
対象になる設備
建物の暖房や給湯、工場の加熱などに使われるボイラーが対象です。ただし、次のものは性能検査の対象外です。
- 小型ボイラー:一定の規模以下のもの。性能検査はありませんが、1年以内ごとに1回の定期自主検査が必要です。
- 簡易ボイラー:さらに小さいもの。性能検査も法令で定められた定期自主検査の義務もありませんが、安全に使うための日常の点検・保守は必要です。
- 電気事業法の適用を受けるボイラー(発電用など)
ボイラーの区分は、伝熱面積や最高使用圧力などで決まります。自分の設備がどれに当たるかは、ボイラーの銘板や検査証で確認できます。
検査の頻度
| 検査の種類 | 頻度 | 誰が行うか |
|---|---|---|
| 性能検査 | 1年ごと(検査証の有効期間が1年のため) | 登録性能検査機関 |
| 定期自主検査 | 1か月以内ごとに1回 | 事業者(設備を使う会社) |
性能検査の結果によっては、有効期間が1年未満になったり、1年を超え2年以内に延びたりすることもあります。
性能検査の準備
性能検査を受ける場合は、原則として、ボイラー(燃焼室を含む)と煙道を冷却し、掃除するなどの準備をしておく必要があります。検査の日に合わせて運転を止め、冷ます時間も見込んで予定を組むことになります。
定期自主検査で確認すること
毎月の定期自主検査では、次のような項目を確認します。
- ボイラー本体の損傷
- 燃焼装置(バーナ、ストレーナ、炉壁など)の汚れや損傷
- 自動制御装置(起動・停止装置、火炎検出装置、燃料遮断装置、水位調節装置、圧力調節装置)の機能
- 給水装置、蒸気管、水処理装置などの状態
検査の結果は記録し、3年間保存します。1か月を超えて使わない期間は検査を省略できますが、使用を再開するときに検査が必要です。
取り扱う人の資格
ボイラーを取り扱う作業では、ボイラーの規模に応じて、ボイラー技士(特級・一級・二級)などの中から「ボイラー取扱作業主任者」を選任する必要があります。資格の詳しい内容は「ボイラー技士とは?」の記事をご覧ください。
ビル管理での注意点
最近のビルでは、暖房や給湯をボイラーではなく電気やガスのヒートポンプ、小型の貫流ボイラーなどでまかなう例も増えています。管理する建物にボイラーがある場合は、まず「性能検査が必要なボイラーか、小型ボイラーか」を確認し、検査証の有効期限を管理表などで把握しておくことが大切です。検査証の期限が切れたボイラーは使用できません。
夏場のボイラー室など、高温になりやすい場所での作業の熱中症対策の義務については、「熱中症対策の義務化(令和7年6月施行)【労働安全衛生法】」をご覧ください。
根拠となる法令
労働安全衛生法第40条(検査証のない特定機械等の使用禁止)、第41条(検査証の有効期間・性能検査)、第45条(定期自主検査)と、ボイラー及び圧力容器安全規則第24条(作業主任者)、第32条(定期自主検査)、第37条・第38条(検査証の有効期間・性能検査)、第40条(性能検査の準備)、第94条(小型ボイラーの定期自主検査)に定められています。
違反した場合
- 検査証を受けていない(期限切れを含む)ボイラーを使用した場合:6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(労働安全衛生法第119条第1号)
- 定期自主検査を行わなかった、または記録しなかった場合:50万円以下の罰金(同法第120条第1号)


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