ビルメンの資格は何から取る?現場で使える資格と、取る順番の考え方

その他の法令

この記事で分かること

ビルメンテナンス(建物の設備管理)の仕事には、役に立つ資格がたくさんあります。ただ、全部は取れません。時間もお金も限られているので、「何から取るか」で迷う人が多いはずです。

この記事では、ビルメンの現場でよく名前の挙がる資格を、受験資格・合格率・受験手数料・ビルでどんな場面で必要になるかで比べます。あわせて、現場責任者として働く私が実際に取った資格のうち、現場で使っているものと、ほとんど使っていないものを書きます。

ここで取り上げていない資格を含め、分野ごとに探したいときは、建物管理の資格一覧もご利用ください。

主な資格の比較

資格 ビルで必要になる場面 受験資格 合格率(最近の年度) 受験手数料
第二種電気工事士 一般用電気工作物等の電気工事の作業に必要(電気工事士法第3条) なし 令和7年度 学科:上期57.7%・下期55.4%、技能:上期72.0%・下期71.4% 11,100円(インターネット申込み・令和8年度)
危険物取扱者(乙種第4類) ガソリン・灯油・軽油などの引火性液体の施設で、危険物保安監督者の選任や、取扱いの立会いに必要(消防法第13条) 乙種は誰でも受験できる 3割前後(令和7年度4〜8月は31.3%) 5,300円(令和6年5月時点)
消防設備士(乙種第4類・第6類) 乙4は自動火災報知設備など、乙6は消火器の整備に必要 乙種は制限なし 令和7年度4〜8月:乙4は32.8%、乙6は35.0% 4,400円
二級ボイラー技士 ボイラーの取扱いの作業主任者になるために必要 なし(免許をもらうには実技講習などが必要) 令和7年度 52.9% 8,800円(学科試験)
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 特定建築物ごとに選任が必要 国家試験ルートは、環境衛生の維持管理の実務2年以上 令和7年度 30.6% 受験案内で確認
第三種電気主任技術者(電験三種) 受電設備を持つビルなどで、電気主任技術者として選任される なし 令和7年度 13.0% 7,700円(インターネット申込み・令和8年度)

合格率は年度によって動きます。手数料も変わることがあるため、申し込む前に、各試験機関の最新の案内で確認してください(参考ページに載せています)。詳しい取り方は、消防設備士・ボイラー技士・ビル管理士・電気主任技術者(電験)の記事をご覧ください。

現場から:使っている資格と、使っていない資格

ビルメンテナンスの現場責任者として、私は第一種電気工事士、消防設備士(乙種第4類・第6類・第7類)、危険物取扱者(乙種第4類)、工事担任者(DD第3種。現在の名称では第二級デジタル通信にあたります)、ボイラー技士、ボイラー整備士の資格を取りました。電験三種とビル管理士にも挑戦しましたが、合格には届いていません(それぞれの体験は、電験三種の記事とビル管理士の記事に書いています)。

現場でよく使っている資格

  • 危険物取扱者(乙4):私の現場では、危険物の取扱いの担当として選任されているため、必要な資格です
  • 消防設備士(乙4・乙6):避難訓練のときの説明や、オーナーへの説明で、資格を持っていると説得力があります
  • 電気工事士:私の現場では、電気工事を自分たち(直営)で行うので、そのまま仕事で使います

ほとんど使っていない資格

  • 工事担任者:通信設備の工事に関する資格で、私の現場では使う場面がありません
  • 消防設備士(乙7):漏電火災警報器の整備の資格で、私の現場では使う機会がほとんどありません
  • ボイラー技士:ボイラーが小さく、資格が必要なボイラーではないため、活かす場面がほとんどありません(くわしくはボイラー技士の記事)

どの資格が役に立つかは、勤務先や管理している建物の設備によって大きく変わります。「取ったけれど使わない」資格が出ることもあるので、自分の現場にある設備と、会社が求める資格から選ぶのが、無駄が少ないと思います。

取る順番の考え方(私の考え)

これは、現場で働く私の考えです。会社や現場によって、最適な順番は変わります。資格は、関連するものを続けて取ると、勉強が無駄になりにくいと感じています。最初の一歩は、どちらの流れでも、第二種電気工事士です。

電気から広げる流れ:第二種電気工事士 → 第一種電気工事士 → 電験三種

  • 第二種電気工事士:受験資格がなく、年2回受けられます。実務でも使えますし、電気の基礎が身につくので、電験三種やビル管理士、消防設備士(乙4)など、電気が関わる資格の勉強にも活きます
  • 第一種電気工事士:第二種より広い範囲(自家用電気工作物)の電気工事ができます。試験に合格したうえで、所定の実務経験があると免状が交付されます(電気工事士法第4条)
  • 電験三種:電気の知識を、さらに深く問われる資格です。電気主任技術者の免状を持っていると、第二種電気工事士の学科試験が免除されます

消防から広げる流れ:第二種電気工事士 → 消防設備士(乙4) → 消防設備士(乙6)

乙4(自動火災報知設備など)は電気の知識が関わるので、第二種電気工事士の次に取ると、勉強がつながります。消防設備士は、消防関係法令に、類をこえて共通する部分があるので、続けて取るほうが効率的です。消防設備士の免状を持っていると、ほかの類を受けるときに、申請により一部の試験科目が免除されます。電気工事士や電気主任技術者などの資格でも、一部の科目が免除されます。免除の内容は、類や資格によって違うので、消防試験研究センターの案内で確認してください(詳しくは消防設備士の記事)。

危険物取扱者(乙4)は、現場の必要に応じて

受験資格がなく、危険物を扱う施設がある現場では、選任の必要が出てくることがあります。自分の現場に危険物の施設があるかどうかで、取る時期を決めるとよいと思います。

ビル管理士は、時間の見通しを立ててから

ビル管理士も、電験三種も、合格率が低く、勉強に時間がかかります。私は、勉強の時間を確保できず、どちらも挫折しました。まとまった勉強時間の見通しを立ててから、挑戦するのがよいと思います。

勉強の進め方

私の考えでは、基本は過去問を繰り返し解くことが、ほとんどの資格で一番の近道です。構造がイメージしにくい設備(ボイラーなど)は、動画で見て補いました。

ただし、電験三種だけは、動画や参考書、講座などで、体系的に学ぶのがよいと考えています。範囲が広く、過去問を繰り返すだけでは、理解が追いつきにくいからです。講座で学ぶ方法としては、資格合格支援スクール「能セン」のような講座があります(広告を含みます)。
資格合格支援スクール【能セン】

私の次の挑戦

私は、来年度、1級電気工事施工管理技士補と1級管工事施工管理技士補、そして電験三種に挑戦するつもりです。挫折した経験を踏まえて、無理のない勉強の進め方を考えながら取り組みます。

根拠となる法令

電気工事士法第3条(電気工事士等)・第6条(電気工事士試験)、消防法第13条(危険物保安監督者)・第13条の2(危険物取扱者免状)などに定められています。ほかの資格の根拠は、各資格の記事をご覧ください。

参考ページ

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