ビルメンの給料は安い?施工管理技士補を取って資格手当をもらう方法

資格

ビルメンテナンス(建物の設備管理)の仕事は、「安定しているが、給料は高くない」と言われることがあります。私は、未経験でこの仕事に入り、10年ほど現場で働いています。この記事では、給料を上げる手段のひとつとして、1級施工管理技士補を取る方法を、法令と公式の情報にもとづいて整理します。

ビルメンの給料は安い?私の場合

給料は、会社、地域、残業の量、手当によって大きく変わります。参考までに、私の場合は次のとおりです。

項目 内容
勤務先 関西の系列系ビルメン会社(一般社員)
残業 平均で月40時間前後
年収 450万円台

地域や会社によって差があるので、あくまで一例として見てください。基本給を急に上げるのは難しいので、私は資格手当に目を向けています。

資格手当はいくらつくのか(私の会社の例)

私の会社では、施工管理に関する資格に、次の手当がつきます(月額)。

資格 月額の手当 1年間にすると
1級施工管理技士補 8,000円 9万6,000円
1級施工管理技士 1万円 12万円

手当の額や、どの資格につくかは会社によって違います。就業規則や賃金規程で確認してください。

ここで注目したいのは、技士補と技士の手当の差が大きくないことです。後で説明するとおり、技士補は第一次検定に合格するだけで名乗れます。実務経験を積まなくても挑戦できるのが、技士補の強みです。

施工管理技士と施工管理技士補とは

施工管理技士は、建設工事の現場で、工程・品質・安全などを管理するための国家資格です。建設業法の「技術検定」にもとづいています(建設業法第27条)。

  • 第一次検定:施工技術の基礎となる知識と能力を判定する検定
  • 第二次検定:施工技術のうち、技術上の管理と指導監督に関する知識と能力を判定する検定

合格した人は、称号を名乗ることができます(同条第7項)。建設業法施行令第40条では、第一次検定に合格した人は「技士補」、第二次検定に合格した人は「技士」と定められています。

検定の種目は、土木、建築、電気工事、管工事、電気通信工事、造園、建設機械の7つで、それぞれに1級と2級があります。ビルメンの仕事と関わりが深いのは、次の種目です。

種目 関わりのある設備
電気工事施工管理 受変電、照明、配線などの電気設備工事
管工事施工管理 空調、給排水、衛生などの設備工事
電気通信工事施工管理 通信、放送、情報などの設備工事
建築施工管理 建物の躯体や仕上げの工事

1級の技士補を取るには(第一次検定)

1級の第一次検定は、その年度の末日に19歳以上であれば受けられます。実務経験は必要ありません(施工技術検定規則第4条)。受検手数料は、政令で次のとおり定められています(建設業法施行令第42条)。

種目 1級の第一次検定 1級の第二次検定
電気工事施工管理 15,800円 15,800円
管工事施工管理 12,700円 12,700円
電気通信工事施工管理 14,300円 14,300円
建築施工管理 12,300円 12,300円

管工事と電気通信工事は、インターネットで申し込むと、別に事務手続手数料250円(税込)がかかります。

1級の試験は、令和8年度(2026年度)は、どの種目も年に1回でした。日程は、次のとおりです。

種目 実施団体 第一次検定 第二次検定 申込期間
電気工事 建設業振興基金 7月12日 10月18日 2月13日〜27日(第一次のみのネット申請は4月7日まで)
建築 建設業振興基金 7月19日 10月18日 2月13日〜27日(第一次のみのネット申請は4月7日まで)
管工事 全国建設研修センター 9月6日 12月6日 5月7日〜21日
電気通信工事 全国建設研修センター 9月6日 12月6日 5月7日〜21日

申込の時期が、種目によって2月と5月に分かれています。また、管工事と電気通信工事の第一次検定は同じ日なので、同じ年に両方は受けられません。年に複数の種目を狙うときは、日程の組み合わせを、先に確認しておく必要があります。令和9年度以降の日程は、年度ごとに公表されるので、必ず公式サイトで確認してください。

建設業振興基金の案内には、「第一次検定のみを申請して合格した場合、同じ年度の第二次検定は受けられない」とあります。技士補だけを目指す場合も、申込の区分を、手引で確認してください。

1級の技士(第二次検定)の受検資格

1級の第二次検定は、第一次検定に合格した後の実務経験が必要です。新しい受検資格では、同じ種目の第一次検定に合格した後、次のいずれかが必要です(施工技術検定規則第5条第1項)。

  • 実務経験が5年以上
  • 特定実務経験1年以上を含む、実務経験が3年以上
  • 監理技術者の職務を補佐する実務経験が1年以上

申込のときは、実務経験を証明する使用者(会社)の証明書を添えます(同規則第8条)。なお、令和10年度までは、旧制度の受検資格でも受けられる経過措置があります。

実務経験として認められないもの

建設業振興基金の1級電気工事施工管理の「受検の手引」(令和8年度)では、実務経験とは、電気工事の現場で、施工管理などの立場で従事した「施工に直接かかわる技術上の職務経験」とされています。次のような業務は、実務経験として認められません。

  • 設計、積算、保守、点検、維持、メンテナンス、事務、営業などの業務
  • 発電機・変圧器などの保守・点検・メンテナンス、機器部品などの修理工事・保守・点検・メンテナンス

ビルメンの仕事の中心である日常の保守点検だけでは、実務経験には数えられません。工事を請け負う現場で、施工管理にあたる立場で従事した分が対象になります。

電気工事士・電気主任技術者があると

建設業振興基金の1級電気工事施工管理の案内には、電気の資格がある人向けの受検資格が載っています(令和8年度)。

持っている資格 旧受検資格(令和10年度まで) 新受検資格
第一種電気工事士 実務経験の年数は問わない 試験合格または免状交付の後、実務経験5年以上(または、特定実務経験1年以上を含む3年以上)
電気主任技術者(第一種・第二種・第三種) 免状の交付後、通算6年以上 (案内に区分の記載なし)

案内に載っているのは、第一種電気工事士です。第二種電気工事士については、1級の案内には記載がありません。手引には、「第二種・高圧電気工事技術者は対象外」と書かれています。2級の第二次検定では、電気工事士の試験合格または免状交付後に実務経験1年以上、という案内があります。

第一種電気工事士の旧受検資格(区分ハ)で申し込むときは、次の点に注意が必要です(令和8年度の手引)。

  • 提出するのは、第一種電気工事士免状のコピーです。試験の合格証書、講習の修了証、高圧電気工事技術者試験の合格証書は使えません
  • 実務経験証明書(会社の証明書)は、この区分では不要とされています
  • 第一次検定に合格していること(第一次・第二次を同時に申請して、第一次に合格した場合を含む)が前提です
  • 同時申請では、第一次検定に合格できなかった場合、第二次検定は受けられません。申請の後で、試験区分は変えられません
  • 旧受検資格は令和10年度までの経過措置で、令和11年度以降は廃止されます

旧受検資格の細かい条件は、年度ごとの手引で、必ず確認してください。

現場から:私の状況と目標

私は未経験でビルメンの仕事に入りました。きっかけは、「ビルメンは比較的楽だ」とインターネットで見たことでした。実際に働いて、しんどいこともありますが、次の点は楽だと感じています。

  • トイレに行きたいときに行ける
  • 冷暖房のきいた場所で働ける
  • 実作業のない待機の時間は、休憩のように過ごせることが多い

なお、実作業のない待機の時間も、使用者の指示があればすぐ対応しなければならないときは、法律上は労働時間として扱われることがあります(詳しくは夜勤・24時間勤務の仮眠時間は労働時間?)。

私の現場は、倉庫・物流施設が中心です。契約上は平日の日中の勤務が基本ですが、人手不足のため、夜勤や24時間勤務に入ることもあります。会社には、部署を異動して工事部へ行く人もいますし、現場でも、小さな工事を行うことがあります。ビルメンの現場では、電気設備に関わる作業が多いと感じています。

私は第一種電気工事士の免状を持っています。そのため、1級電気工事施工管理は、旧受検資格(令和10年度まで)であれば、実務経験の年数を問われずに第二次検定へ進める可能性があります。まず、1級電気工事施工管理技士と、1級管工事施工管理技士補に挑戦する予定です。その後で、電験三種(電気主任技術者)にも挑戦したいと考えています。管工事など、ほかの種目の第二次検定は、保守・点検だけでは実務経験に数えられないため、工事に関わった経験を、手引の基準で確認してから考えます。

2級について

2級の第一次検定は、年度の末日に17歳以上であれば受けられ、実務経験は不要です(施工技術検定規則第4条)。2級の技士(管工事・電気工事・電気通信工事)の第二次検定は、同じ種目の2級の第一次検定に合格した後、実務経験が3年以上必要です(同規則第5条第2項)。2級は、前期と後期の年2回の試験があり、1級とは日程と申込時期が違います。

勉強を始めるなら

独学が難しいと感じたときは、通信講座を使う方法もあります。電験三種や施工管理技士などの講座を扱うスクールの例として、次のサービスがあります(広告を含みます)。

資格合格支援スクール【能セン】

他の資格との優先順位は、ビルメンの資格は何から取る?でも整理しています。

根拠となる法令

建設業法第27条(技術検定)、建設業法施行令第40条(称号)・第42条(受検手数料)、施工技術検定規則第4条(第一次検定の受検資格)・第5条(第二次検定の受検資格)・第8条(第二次検定の受検申請)に定められています。

この記事は一般的な解説と、私の会社の例です。試験の日程、手数料、受検資格は、年度によって変わることがあります。申込の前に、必ず実施団体の公式サイトと受検の手引で確認してください。

参考ページ

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