簡易専用水道の検査(外部検査)【水道法】

水道法・浄化槽法

この検査は何のためにあるのか

前の記事で紹介した「清掃・点検の管理基準」が、実際にきちんと守られているかどうかを、第三者の立場からチェックしてもらうための検査です。自分たちで行う日常管理とは別に、外部の目でのチェックが義務づけられています。

対象になる建物

水道局から供給される水だけを水源とし、受水槽の有効容量が10立方メートルを超える建物(簡易専用水道)が対象です。受水槽がさらに大きく、居住者や給水量が一定規模を超える施設は「専用水道」として別の規制を受けます(専用水道の水質検査を参照)。10立方メートル以下の受水槽は小規模貯水槽水道として扱われます。

検査の頻度

1年に1回以上、地方公共団体の機関、または国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた検査機関(登録簡易専用水道検査機関)による検査を受けます。

検査で確認される内容

検査の方法は国の告示で定められており、大きく次の3つに分かれています。

  • 施設の外観検査:受水槽・高置水槽の本体や周囲の状態、マンホールのふた、通気管・オーバーフロー管の防虫網などを目で見て確認します。
  • 給水栓での水質検査:蛇口から採った水の臭気・味・色・色度・濁度を調べ、残留塩素を測定します。判定基準は「異常な臭気・味・色がないこと」「色度5度以下」「濁度2度以下」「残留塩素が検出されること」です。
  • 書類の検査:設備の配置図や、受水槽の清掃記録などがきちんと整理・保存されているかを確認します。

基準に合わない項目があった場合は、検査機関から改善の助言を受けます。

費用の目安

料金は検査機関や地域によって異なりますが、公表されている例では、受水槽1系統あたりおおむね1万6千円〜2万2千円程度です(別に書類検査の料金がかかる機関もあります)。正確な金額は、依頼先の検査機関に確認してください。

現場から:よく受ける指摘と当日の様子

ビルメンテナンスの現場責任者として、実際に簡易専用水道の検査に立ち会ってきた経験から、よくあるポイントをまとめます。

よく受ける指摘は「受水槽まわり」

指摘を受けることが多いのは、設備そのものよりも受水槽の周辺環境です。

  • 受水槽の下や周りに荷物が置かれている:受水槽室が物置代わりになってしまい、指摘を受けるケースです。告示の判定基準でも、水槽の周囲が清潔で、ごみ等が置かれていないことが求められています。
  • 受水槽の周りに雑草が生えている:屋外に受水槽がある建物では、雑草が伸びて指摘を受けることがよくあります。

どちらも、検査の前に受水槽まわりを片付け・草取りしておけば防げる内容です。私の経験では、こうした軽い指摘を改善しておけば、その後の検査で同じことを重ねて指摘されたことはありません。

書類は清掃報告書と前年度の検査結果を用意

書類の確認では、受水槽清掃の作業報告書や、前年度の簡易専用水道検査の結果書類が保管されているかを確認されます。私の現場では報告書をPDFで受け取り、電子データで保管していますが、それで問題になったことはありません。

清掃と検査はまとめて依頼すると管理が楽

私の現場では、受水槽清掃と簡易専用水道検査を一つの会社にまとめて依頼しています(実際の作業はそれぞれ別の協力会社が行います)。窓口が一本になるので、日程調整や報告書の受け取りがシンプルになります。報告書はメールでPDFを送ってもらう形にしています。

当日の立ち会いについて

検査には必ずしも立ち会う必要はありませんが、ビルメンテナンスの立場では、私はすべて立ち会うようにしています。受水槽室の鍵の開け閉めや、検査員からその場で指摘や助言を受けられるためです。当日は、蛇口での残留塩素の測定なども行われます。

根拠となる法令

水道法第34条の2第2項、水道法施行規則第56条に定められています。検査の方法は「簡易専用水道の管理に係る検査の方法その他必要な事項」(平成15年厚生労働省告示第262号)で定められています。

違反した場合

検査を受けない場合、100万円以下の罰金の対象となることがあります(水道法第54条第8号)。

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