浄化槽検査員とは?国家資格ではない?なるには・講習会・費用

水道法・浄化槽法

この仕事は何のためにあるのか

浄化槽検査員は、浄化槽の法定検査を行う人です。法定検査には、設置後に受ける「7条検査」と、毎年受ける「11条検査」があり、どちらも都道府県知事が指定した指定検査機関が行います(浄化槽法第7条、第11条、第57条)。検査員は、その指定検査機関に所属して、浄化槽が正しく維持管理されているかを第三者の立場で確認します。

保守点検や修理は行いません。日ごろの点検・調整をするのは「浄化槽管理士」で、検査員はその結果を検査する側です(違いは浄化槽管理士とは?浄化槽検査員との違いをご覧ください)。

国家資格ではなく、検査機関で働く人の要件

浄化槽検査員は、「浄化槽管理士」のような免状のある国家資格ではありません。国(環境省)の規則が、指定検査機関に置く検査員の要件を次のように定めています(環境省関係浄化槽法施行規則第55条第1項第5号)。

  • 浄化槽の検査に関する専門的知識・技能を持ち、2年以上実務に従事した経験がある人
  • または、廃棄物処理法に基づく環境衛生指導員として、浄化槽に関する実務に従事した経験がある人

つまり、検査員になるには「試験に合格する」のではなく、「検査機関の職員として、専門知識と実務経験を備える」ことが求められます。実際の採用条件は検査機関ごとに異なります。

浄化槽検査員講習会

検査に必要な専門知識・技能を学ぶ講習として、公益財団法人日本環境整備教育センターが「浄化槽検査員講習会」を行っています。

項目 内容
受講資格 都道府県から推薦された人で、次のいずれかに当てはまること。(ア)浄化槽管理士/(イ)大学(短期大学を除く)で理学・薬学・工学・農学などの課程を修めて卒業した人/(ウ)大学卒業後、浄化槽の技術上の実務に2年以上従事した人/(エ)短期大学・高等専門学校などで同系の課程を修めて卒業後、浄化槽の実務に2年以上従事した人
講習の内容 合計42時間(7日間)。浄化槽行政2時間、汚水処理原理3時間、構造基準6時間、保守点検・清掃4時間、浄化槽の設置4時間、外観検査5時間、水質検査4時間、書類検査3時間、総合判定5時間、総合演習6時間。最終日に考査(2時間)
受講料 119,300円(非課税)。浄化槽管理士で3日目から受講する場合は94,800円(令和8年度)
開催 会場での集合講習(東京)。令和8年度は、9月〜10月と1月の年2回の日程が案内されています
申込み 申請書類を取り寄せ、顔写真・受講料の振込み控えなどを添えて、受付期間内に郵送または持参します。定員になり次第、受付は終了します

浄化槽管理士の免状を持っている人は、初日・2日目の受講が免除されて受講料が下がり、考査の時間も1時間30分になります(免状の写しが必要)。

講習会は「都道府県の推薦」が条件なので、思い立ってすぐ申し込める講習ではありません。募集の時期、受講料などは変わることがあるため、申し込む前に日本環境整備教育センターの最新の案内で確認してください。

検査員が見ているもの

講習の科目からも分かるように、検査員の仕事は大きく3つの検査を組み合わせて、浄化槽が正しく働いているかを判断することです。

  • 外観検査:設置の状況、ブロワー(空気を送る機械)などの設備の動き、水の流れ方、使い方、消毒の状況
  • 水質検査:放流水のpH、溶存酸素、透視度(水のにごり)、残留塩素濃度、BOD(水の汚れの度合い)など
  • 書類検査:保守点検や清掃の記録が残されているか

検査の内容や、検査を受ける側の対応は、浄化槽の法定検査(設置後の水質検査・7条検査)と浄化槽の法定検査(毎年の水質検査・11条検査)で詳しく説明しています。

検査員と浄化槽管理士、どちらを目指すか

浄化槽検査員 浄化槽管理士
仕事 法定検査(7条検査・11条検査) 保守点検(装置の点検・調整・修理、消毒剤の補充など)
働く場所 指定検査機関 保守点検業者など
資格の形 国家資格ではない。検査機関の職員として専門知識と実務経験が必要 国家資格(試験または講習)。学歴・実務経験は問われない
入り口 検査員講習会(都道府県の推薦が必要) 浄化槽管理士試験、または講習

浄化槽の点検の仕事に進みたいなら浄化槽管理士、検査機関で検査の仕事に進みたいなら検査員講習会、という整理になります。管理士の取り方は浄化槽管理士とは?浄化槽検査員との違い、保守点検の中身は浄化槽の保守点検をご覧ください。

ビル管理の立場で知っておきたいこと

浄化槽のある建物では、毎年、検査員が法定検査に来ます。検査員は管理者の味方でも敵でもなく、第三者の立場で状態を確認する人です。指摘を受けたときは、その内容を保守点検業者や清掃業者に伝えて、改善につなげることが大切です。

私自身は、浄化槽の管理や検査の経験はありません。この記事は、法令と日本環境整備教育センターなどの公的な案内にもとづいて書いています。

根拠となる法令

浄化槽法第7条(設置後等の水質検査)、第11条(定期検査)、第57条(指定検査機関)、環境省関係浄化槽法施行規則第55条第1項第5号(検査員の要件)に定められています。

違反した場合

検査員になること自体に罰則はありません。なお、浄化槽管理者が毎年の法定検査(11条検査)を受けない場合は、都道府県知事から指導・勧告を受けることがあります。勧告に従わず、さらに出された命令にも違反した場合は、30万円以下の過料の対象となります(浄化槽法第12条の2、第66条の2)。

参考ページ

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