浄化槽の法定検査(毎年の水質検査・11条検査)【浄化槽法】

水道法・浄化槽法

この検査は何のためにあるのか

浄化槽が継続してきちんと機能しているかを、毎年、第三者機関がチェックする検査です。「11条検査」とも呼ばれ、保守点検・清掃とあわせて浄化槽管理の3本柱の一つです。浄化槽は、トイレの汚水や台所・風呂などの生活排水を微生物の力できれいにしてから、川や側溝に流す設備です。うまく働いていないと、汚れた水がそのまま周りの環境に流れ出てしまいます。

対象になる建物

浄化槽を設置している建物すべてが対象です。下水道が整備されていない地域の住宅・店舗・施設などが該当します。設置してすぐに受ける「7条検査」とは別に、その後は毎年この11条検査を受けます。

なお、ビルの地下にある「汚水槽」「雑排水槽」は、汚水をいったん貯めてポンプで下水道に送るための設備で、浄化槽ではありません。こちらは「排水設備の清掃」の記事で扱っています。

検査の頻度

毎年1回です。

実施できる機関

都道府県知事が指定する検査機関(指定検査機関)が行います。

検査で確認される内容

検査は、大きく次の3つに分かれています。

  • 外観検査:設置の状況、ブロワー(空気を送る機械)などの設備の動き、水の流れ方、使い方、消毒の状況などを確認します。
  • 水質検査:放流する水のpH(水素イオン濃度)、溶存酸素、透視度(水のにごり)、残留塩素濃度、BOD(水の汚れの度合い)などを調べます。
  • 書類検査:保守点検や清掃の記録がきちんと残されているかを確認します。

浄化槽に流してはいけないもの

浄化槽法施行規則では、浄化槽を使うときのルールとして、「殺虫剤、洗剤、防臭剤、油脂類、紙おむつ、衛生用品等であって、浄化槽の正常な機能を妨げるもの」を流入させないことを定めています。浄化槽の中では微生物が汚れを分解しているため、微生物を弱らせたり死なせたりする薬品を流すと、浄化槽そのものが働かなくなってしまいます。

ビルメンテナンスの現場で聞いたトラブル:ワックス剥離液で浄化槽が「死んだ」

私自身は浄化槽を管理した経験はありませんが、ビルメンテナンスの業界で実際にあったトラブルとして聞いた話を紹介します。

ある建物で、定期清掃の床面ワックスの剥離作業を行った際、強アルカリ性の剥離剤を使った廃液を、SK(掃除用の流し)からそのまま流してしまったそうです。その建物は浄化槽を使っていたため、強アルカリの廃液によって浄化槽の中の微生物が死んでしまい、浄化槽が機能しなくなってしまった、というものです。

浄化槽のある建物では、清掃作業で使う薬剤の廃液を排水口に流さないよう、作業する業者も含めて周知しておくことが大切です。なお、ワックスの剥離廃液は、浄化槽の有無にかかわらず、本来は産業廃棄物として適切に処理する必要があります。

根拠となる法令

浄化槽法第11条に定められています。浄化槽に流してはいけないものは、浄化槽法施行規則第1条に定められています。

違反した場合

検査を受けていない場合、都道府県知事から検査を受けるよう指導・勧告を受けることがあります。勧告に従わず、さらに出された命令にも違反した場合は、30万円以下の過料の対象となります(浄化槽法第12条の2、第66条の2)。

あわせて読みたい

コメント

タイトルとURLをコピーしました