建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)とは?

建築物衛生法

この資格は何のためにあるのか

建築物環境衛生管理技術者(通称:ビル管理士)は、「特定建築物」において、建物全体の空気環境・水質・清掃・ねずみ昆虫防除などの衛生管理を統括するために選任が義務づけられている国家資格です。

対象となる特定建築物

特定用途(店舗、事務所、学校など)に利用される部分の延べ面積が3,000平方メートル以上(学校は8,000平方メートル以上)の建物が対象です。

取得方法

取得方法は2通りあります。

  • 国家試験ルート:特定建築物などで、空調・給排水・清掃などの環境衛生の維持管理の実務に2年以上従事したうえで、国家試験に合格する
  • 講習ルート:一定の学歴(大学の理工系の学科など)と実務経験がある人などが、厚生労働大臣の登録を受けた機関の講習会を修了する

試験も講習も、公益財団法人 日本建築衛生管理教育センターが実施しています。いずれの方法でも、合格・修了後に厚生労働大臣から免状が交付されます。

試験の内容と難易度

試験は年1回(例年10月)行われ、次の7科目・合計180問(すべて択一式)が出題されます。

科目 問題数
建築物衛生行政概論 20問
建築物の環境衛生 25問
空気環境の調整 45問
建築物の構造概論 15問
給水及び排水の管理 35問
清掃 25問
ねずみ、昆虫等の防除 15問

合格するには、科目ごとに40%以上、かつ全体で65%以上の正解が必要です。1科目でも4割に届かないと不合格になるため、苦手科目を作らないことが大切です。

令和7年度(第55回)の試験は、受験者7,131人に対して合格者2,180人で、合格率は30.6%でした(厚生労働省発表)。前年の令和6年度(第54回)は、合格率が23.2%でした。

現場から:ビル管に挑戦して挫折した体験

ビルメンテナンスの現場責任者として、私もビル管に挑戦したことがあります。合格には至りませんでしたが、その経験をまとめます。

ビルメン会社での設備管理の実務で受験

受験したのは2年ほど前です。受験資格の実務経験は、ビルメンテナンス会社での設備管理の業務で満たしていました。

設備の仕事をしている人には「建築」の科目が難しい

細かい点数は覚えていませんが、設備の仕事をしている立場からすると、建築関係の科目(建築物の構造概論など)が難しかったです。空調や給排水は日々の業務で触れていても、建物の構造や建築の用語はなじみが薄いので、重点的に対策が必要だと感じました。

挫折した理由は、勉強の時間が取れなかったこと

電験三種のときと同じく、仕事や家庭の事情で、勉強の時間が十分に取れなかったことが挫折の理由です。範囲が広い試験なので、早めに計画を立てて、少しずつ進めることが大切だと思います。

資格手当は大きいが、職場での評価は特に感じない

私の勤務先では、ビル管の資格手当は月8,000円、選任されると月10,000円と大きめです。一方で、持っているからといって職場で特に評価が上がるという実感はありません。

また、電気主任技術者は、事故や周辺まで停電させる波及事故が起きると責任を問われることがありますが、ビル管理士は個人が厳しく責任を問われることは特にない、と聞いています。ただし、法律上は、ビル管理士にも、建物の衛生管理が基準どおりに行われるよう所有者に意見を述べる役割があり、法令に違反した場合などは免状の返納を命じられることもあります。

この資格でできること

特定建築物の所有者・管理者は、この資格を持つ人を選任することが法律上の義務です。詳しくは建築物環境衛生管理技術者の選任をご覧ください。

なお、ビルのねずみ・昆虫等の防除を請け負う業者には、別の資格として「ねずみ昆虫等防除作業監督者とは」を置く決まりがあります。ビル管理士とは役割が違い、兼任もできません(東京都の案内資料)。

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ビル管理士の試験対策には、過去の試験問題を解く問題集が役立ちます。電気書院から、2026年版の「ビル管理士試験模範解答集」が出ています。

2026年版 ビル管理士試験模範解答集

ほかの資格との比較や、資格を取る順番の考え方は、「ビルメンの資格は何から取る?現場で使える資格と、取る順番の考え方」をご覧ください。

根拠となる法令

建築物衛生法第6条(選任)、第7条(免状)、第8条(試験)に定められています。

参考ページ

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